コラムの趣旨
ネットマーケティング検定公式テキストの著者による情報コラムです。
公式テキストでは紹介しきれないインターネットマーケティングに関する最新のトピックスについて、情報や解説などをお届けします。
本試験の事例問題でも取り上げられることの多い、インターネットビジネスの最前線について、マーケティングの視点から掘り下げていきたいと思いますので、ご参考になれば幸いです。
著者プロフィール
藤井 裕之(フジイ ヒロユキ)
ネットマーケティング検定公式テキスト[インターネットマーケティング基礎編]著者。株式会社ワールドエンブレム代表取締役。1998年、早稲田大学卒業後、三菱電機株式会社入社。火力発電所プラントの海外輸出部門に所属。2006年、独立しICTコンサルティング会社(現ワールドエンブレム株式会社)を設立。インターネットマーケティング、システム開発、Web開発、セキュリティ監査、IT統制、ITガバナンス等の事業を展開。会社経営の傍らロースクール夜間部を卒業(法務博士)。2010年、株式会社コンプライアンス・コミュニケーションズ代表取締役に就任。
第14回 情報通信機器やインターネットの利用動向
インターネットマーケティングでは、インターネットの利用状況や情報通信機器の特徴を正確に理解することがとても重要になります。
今回は、情報通信機器の保有状況やインターネットの利用状況などを詳しくみていきましょう。
まずはパソコンやスマートフォンといった、情報通信機器の保有状況についてです。
総務省の情報通信白書(平成30年度版)によると、2017年の「モバイル端末」及び「パソコン」の世帯保有率は、それぞれ94.8%、72.5%で、「モバイル端末全体」の内数であるスマートフォンは、75.1%と上昇しており、パソコンの世帯保有率を上回っていることが分かります。
また、2017年の個人のモバイル端末の保有状況は、スマートフォンの保有率が60.9%で、モバイル端末全体(携帯電話・PHS及びスマートフォン)の保有率は84.0%となっており、前年と比べてほぼ横ばいとなっています。
続いて、インターネットの利用状況をみていきましょう。
2017年のインターネット利用率(個人)は80.9%となっています。また、端末別のインターネット利用率は、「スマートフォン」(59.7%)が最も高く、「パソコン」(52.5%)の利用率を上回る結果となりました。
では、インターネットの利用目的どうなっているのでしょうか。
インターネットの利用目的については、メールの送受信がほぼすべての年齢層で高くなっているという結果になっています。また、「ソーシャルネットワーキングサービスの利用」や「動画投稿・共有サイトの利用」では世代間での差が大きくなっているといった傾向も見られます。
さらに、大都市圏を中心にインターネット利用率、スマートフォン利用率が高いといった調査結果も出ています。地方別のインターネット利用率は、南関東、東海、近畿の順に高く、スマートフォンでの利用率は、南関東、近畿、東海の順に高く、いずれの利用率も高い南関東は、インターネット利用率が85.8%、スマートフォンでの利用率が66.2%となっています。
今回は、情報通信機器の保有状況や、インターネットの利用目的について詳しくみていきましたが、ポイントとしてあげられるのは『ユーザーが利用シーンごとに端末を使い分けている』ということです。例えば、パソコンなどはメールの送受信や、各種サービスの購入・取引(例えば株取引など)などといった、長い文章を見たり作成するときや、じっくりと観察したり検討することが求められる状況において好んで用いられます。対して、スマートフォンなどはポータビリティ性に優れており、通勤通学の際に情報を素早く容易にチェックできる利便性があります。また、購入後すぐにインターネットに接続することが可能であり、インターネットに疎遠であった高齢者や女性をユーザーとして取り込むことも多いです。LINEやInstagramといったアプリをインストールして使用するといったパターンが一般的です。特にLINEはスマートフォンが優位なサービスだといわれています。
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