公式テキスト著者コラム

コラムの趣旨

ネットマーケティング検定公式テキストの著者による情報コラムです。
公式テキストでは紹介しきれないインターネットマーケティングに関する最新のトピックスについて、情報や解説などをお届けします。
本試験の事例問題でも取り上げられることの多い、インターネットビジネスの最前線について、マーケティングの視点から掘り下げていきたいと思いますので、ご参考になれば幸いです。

著者プロフィール

藤井 裕之(フジイ ヒロユキ)

 ネットマーケティング検定公式テキスト[インターネットマーケティング基礎編]著者。株式会社ワールドエンブレム代表取締役。1998年、早稲田大学卒業後、三菱電機株式会社入社。火力発電所プラントの海外輸出部門に所属。2006年、独立しICTコンサルティング会社(現ワールドエンブレム株式会社)を設立。インターネットマーケティング、システム開発、Web開発、セキュリティ監査、IT統制、ITガバナンス等の事業を展開。会社経営の傍らロースクール夜間部を卒業(法務博士)。2010年、株式会社コンプライアンス・コミュニケーションズ代表取締役に就任。

第19回 エリアターゲティング広告とは

 エリアターゲティング広告とは、ユーザーの位置情報などを基に、その地域に絞ったターゲティングを行って配信することができる広告のことをいいます。地域ターゲティング広告や、ロケーションターゲティング広告とも呼ばれます。エリアターゲティング広告には、ジオターゲティング広告や位置・地図連動型広告が該当します。
 では、それらを具体的に見ていきましょう。



 ジオターゲティング広告は、ユーザーのIPアドレスを基に都道府県などの位置情報を特定し、場所的に関連性の高い広告を表示します。地域と密接にかかわる企業に人気の広告で、仕組みは次の通りです。
 インターネットのユーザーは、加入しているプロバイダー(ISP)から割り当てられたIPアドレスを使っています。このプロバイダーは地域ごとにIPアドレスの割り当て範囲を決めていることが多く、その情報をもとに該当する地域を特定します。
 ジオターゲティング広告には、サイバーウィングの「ジオターゲティングバナー」などが該当します。



 位置・地図連動型広告は、GPSや携帯電話の位置情報を解析することによりジオターゲティング広告よりも狭い範囲で関連する広告を表示することができます。代表例としては、Googleの「Google AdWords」やヤフーの「スポンサードサーチ」などが該当します。
 専門家の分析によると、位置・地図連動型広告は、現状CPC(Cost Per Click)やCPA(Cost Per Acquisition)を重視する企業からの出稿が中心となっており、国内の大手企業からは出稿が望みにくいとの意見もありますが、今後の景気や、大企業・個人商店へのアプローチによっては大きな展開が予想されます。



 エリアターゲティング広告は、生活のあらゆるシーンにおいて広告を発信することが可能ですが、個人情報と密接に結びついており、運用する場合には「個人情報を特定しない範囲で情報を収集する」などの注意が必要となってきます。


【参考ページ】

日経XTECH エリアターゲティング
https://tech.nikkeibp.co.jp/it/article/Keyword/20080411/298753/


ITmedia エンタープライズ 位置・地図連動型広告の潜在能力
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0911/27/news004.html

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