コラムの趣旨
ネットマーケティング検定公式テキストの著者による情報コラムです。
公式テキストでは紹介しきれないインターネットマーケティングに関する最新のトピックスについて、情報や解説などをお届けします。
本試験の事例問題でも取り上げられることの多い、インターネットビジネスの最前線について、マーケティングの視点から掘り下げていきたいと思いますので、ご参考になれば幸いです。
著者プロフィール
藤井 裕之(フジイ ヒロユキ)
ネットマーケティング検定公式テキスト[インターネットマーケティング基礎編]著者。株式会社ワールドエンブレム代表取締役。1998年、早稲田大学卒業後、三菱電機株式会社入社。火力発電所プラントの海外輸出部門に所属。2006年、独立しICTコンサルティング会社(現ワールドエンブレム株式会社)を設立。インターネットマーケティング、システム開発、Web開発、セキュリティ監査、IT統制、ITガバナンス等の事業を展開。会社経営の傍らロースクール夜間部を卒業(法務博士)。2010年、株式会社コンプライアンス・コミュニケーションズ代表取締役に就任。
第20回 防災分野におけるICT活用事例
近年、頻発する自然災害に対してICTを活用しようという取り組みが報告されています。
本題に入る前に、ICTについて簡単にご説明します。ICTとは、IT技術の総称であり、通信技術を使って人と人や、人とインターネットが繋がる技術のことです。(ほぼITと同じ意味で使用されているケースがほとんどです。)
政府が公表している、防災・減災等に資するICTサービス事例の一部をご紹介します。(詳細は、総務省が出している『防災・減災等に資するICTサービス事例集』に詳しく掲載されています。)
まず始めは、NTTドコモが展開している緊急速報「エリアメール」というサービスです。これは、特定の地域にある携帯電話に対して一斉同報配信するサービスです。災害が発生しそうな時、又は、発生した後、被害が想定されるエリアにある携帯電話に対して即時的に一斉同報配信することにより、人的被害を少なくすることを目的としています。
次は、日本アイ・ビー・エムが提供する「IBM インテリジェント・オペレーション・センター(IOC)」というサービスです。これは、上下水道、交通、電気といったインフラに関わる状況を一元的に把握し、予測情報に基づいて安全を守り、対応力を高めるサービスです。
最後は、伊藤忠商事が展開する「歯科・眼科遠隔往診医療支援サービス」です。このサービスは被災地で病院に通えなくなった高齢者に対し、携帯電話通信を利用することで、眼科・歯科等を遠隔にて検診することにより高齢者を支援するサービスです。
また、携帯電話等の端末の通信が遮断した場合であっても、被災地域における通信が確保できるような取り組みも報告されています。情報通信白書(令和元年)によると、災害対策用移動通信機器の配備として、地方公共団体等に対し、災害対策用移動通信機器を貸し出しているとのことです。こうした対応は、初動期における被災情報の収集伝達から、応急復旧活動の迅速かつ円滑な遂行までの一連の活動に必要不可欠な情報伝達の補完を目的としています。
今回は、ICT活用の中でも防災についてまとめました。ICTの技術については、インターネットマーケティングにおいても重要な事柄となってきますので、今後も注意してみていきましょう。
【参考ページ】
防災・減災等に資するICTサービス事例集
http://www.soumu.go.jp/main_content/000203203.pdf
総務省 情報通信白書(令和元年版)
第2部基本データと政策動向 第9節 ICTによる行政・防災の推進
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd249220.html
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