公式テキスト著者コラム

コラムの趣旨

ネットマーケティング検定公式テキストの著者による情報コラムです。
公式テキストでは紹介しきれないインターネットマーケティングに関する最新のトピックスについて、情報や解説などをお届けします。
本試験の事例問題でも取り上げられることの多い、インターネットビジネスの最前線について、マーケティングの視点から掘り下げていきたいと思いますので、ご参考になれば幸いです。

著者プロフィール

藤井 裕之(フジイ ヒロユキ)

 ネットマーケティング検定公式テキスト[インターネットマーケティング基礎編]著者。株式会社ワールドエンブレム代表取締役。1998年、早稲田大学卒業後、三菱電機株式会社入社。火力発電所プラントの海外輸出部門に所属。2006年、独立しICTコンサルティング会社(現ワールドエンブレム株式会社)を設立。インターネットマーケティング、システム開発、Web開発、セキュリティ監査、IT統制、ITガバナンス等の事業を展開。会社経営の傍らロースクール夜間部を卒業(法務博士)。2010年、株式会社コンプライアンス・コミュニケーションズ代表取締役に就任。

第27回 マーケティング環境を把握するために重要な3C分析とは

 3C分析というキーワードをご存じでしょうか。3C分析とは、マーケティング環境を把握するために重要となるフレームワーク(手法)です。Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字から成り立っており、それぞれの視点から調査・分析を行うことで、自社の事業展開に関する課題を探し出すことができます。



 Customer(顧客)の分析では、市場と顧客を調査・分析します。
 市場の分析では、マクロ分析とミクロ分析を行います。ここでいう「マクロ」とは、景気変動、法改正、人口動態などの大きな社会変化のことで、「ミクロ」とは自社の業界を指し、マクロ分析の具体的な手法としてはPEST分析、ミクロ分析ではファイブフォース分析があります。
 「PEST」はPolitics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の頭文字で、これらの変化を明確にすることが市場分析に役立つといわれています。
 PEST分析では、政治的環境要因、経済的環境要因、社会的環境要因、技術的環境要因といった外的要因を列挙し、自社に与える影響を書き出していきます。そして、外的要因によって自社にどのような影響があるのかを分析します。
 続いてミクロ分析ですが、ミクロ分析の目的は、市場の構成要素や構造変化、競争環境などを的確に分析して、自社ビジネスに与える影響を導き出すことです。ミクロ分析では、ファイブフォース分析という手法を用い、①買い手の交渉力、②売り手の交渉力、③新規参入者、④代替品の脅威、⑤競争関係の5つの要因(フォース)を分析します。
 市場分析の後は、顧客分析を行います。顧客分析ではマクロ分析やミクロ分析などから得た結果が、顧客のニーズや価値観とどのような関わりを持っているのかを分析します。顧客分析は、過去と現在の顧客の変化について意識することがポイントで、手法としてはアンケート調査やヒアリング調査があります。



 Competitor(競合)の分析では、競合他社のビジネスの結果やその結果が出た理由、市場や顧客のニーズの変化にどのように対応をしているかを調査・分析します。競合調査シートなどを作成し、自社と比較することより、自社の課題を明確にします。

 Company(自社)の分析では、自社の強みや弱み、市場での評価を調査・分析します。
 自社分析の手法としてはSWOT分析が使われることが多く、効率的に分析を進めることができるといわれています。
 SWOT分析とは、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)を明確化するものです。先に分析した「Customer(顧客)の分析」と「Competitor(競合)の分析」の結果を把握したうえで分析することがポイントです。



これらの分析で得られた結果を基に、自社の目指すべきポジションを明確にし、基本戦略を組み立てていきます。


【参考ページ】

「3C分析」とは?基礎知識と自社のマーケティングで実践する方法をわかりやすく解説
https://the-owner.jp/archives/666


3C分析とは? フレームワークの意味、目的、手法、やり方、テンプレートやフォーマットについて
https://www.kaonavi.jp/dictionary/3c_bunseki/

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