コラムの趣旨
ネットマーケティング検定公式テキストの著者による情報コラムです。
公式テキストでは紹介しきれないインターネットマーケティングに関する最新のトピックスについて、情報や解説などをお届けします。
本試験の事例問題でも取り上げられることの多い、インターネットビジネスの最前線について、マーケティングの視点から掘り下げていきたいと思いますので、ご参考になれば幸いです。
著者プロフィール
藤井 裕之(フジイ ヒロユキ)
ネットマーケティング検定公式テキスト[インターネットマーケティング基礎編]著者。株式会社ワールドエンブレム代表取締役。1998年、早稲田大学卒業後、三菱電機株式会社入社。火力発電所プラントの海外輸出部門に所属。2006年、独立しICTコンサルティング会社(現ワールドエンブレム株式会社)を設立。インターネットマーケティング、システム開発、Web開発、セキュリティ監査、IT統制、ITガバナンス等の事業を展開。会社経営の傍らロースクール夜間部を卒業(法務博士)。2010年、株式会社コンプライアンス・コミュニケーションズ代表取締役に就任。
第26回 CTAを意識したマーケティング
CTAとはCall To Actionの略で、目的の行動(コンバージョン)にユーザーを誘導すること、もしくはユーザーに行動喚起させるための要素を指します。
CTAには、商品を購入してもらうこと、アプリをダウンロードしてもらうこと、動画を視聴してもらうこと、資料請求のためのバナーをクリックしてもらうこと、ユーザーのためのお問い合わせフォームに入力して送信してもらうこと、会員登録のためのボタンをクリックしてもらうことなどが該当します。
次の事例で具体的に説明します。
X社は、動画やブログで自社商品を使ったレシピを紹介する調理機器メーカーです。X社は新製品のホットサンドメーカーYを開発し、マーケティングの中で、商品Yを認知してから購入するまでのユーザーの心理・行動プロセスを以下のように想定しました。
①認知フェーズ
SNSで美味しそうなホットサンドのレシピを発見した。ホットサンドメーカーがあれば簡単にできそうなので、ホットサンドメーカーが欲しくなった。
②情報収集フェーズ
ホットサンドメーカーにはどんなものがあるのか知りたくなった。お手入れが面倒くさそうだと不安に感じた。
③比較検討フェーズ
いろいろ調べた結果、良さそうな商品を3つほどピックアップした。また、ホットサンド以外のものも作れるのだろうか、と疑問に思った。
④購入フェーズ
X社のホットサンドメーカーYを購入した。
ここで、①→②で設定されるCTAには、「他社の商品と自社の商品を比較した資料(PDF)をダウンロードしてもらいたいため、バナーを設置した」、②→③で設定されるCTAには、「レシピ動画のあとに、お手入れの方法を記載した自社サイトへ誘導する」、③→④で設定されるCTAには、「ホットサンド以外のレシピ動画も公開し、レシピ動画のあとに購入サイトへ誘導する」などが挙げられます。
CTAは各フェーズの間に設定され、コンバージョンを達成するためにスムーズにユーザーを誘導する必要があります。CTAがバナーやボタンの場合は、シンプルでユーザーの負担にならないUIがマストです。Dropbox(https://www.dropbox.com/ja/)やEvernote(https://evernote.com/intl/jp)など、トップページにシンプルな登録ボタンが設置されているサイトは、CTAの成功例といわれています。
CTAの目的は、コンバージョン率の向上です。ですが、自社のすべてのコンテンツをCTAコンテンツにすれば良いかというとそうではなく、ユーザーを獲得するためのコンテンツとCTAコンテンツの絶妙なバランスが重要になります。
【参考ページ】
CTA とは 意味/解説/説明 (シーティーエー) 【Call To Action,コールトゥアクション】
https://webtan.impress.co.jp/g/cta
CTAとは?コンバージョンを増やすための基礎知識とチェックポイント7選
https://ferret-plus.com/8430
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