コラムの趣旨
ネットマーケティング検定公式テキストの著者による情報コラムです。
公式テキストでは紹介しきれないインターネットマーケティングに関する最新のトピックスについて、情報や解説などをお届けします。
本試験の事例問題でも取り上げられることの多い、インターネットビジネスの最前線について、マーケティングの視点から掘り下げていきたいと思いますので、ご参考になれば幸いです。
著者プロフィール
藤井 裕之(フジイ ヒロユキ)
ネットマーケティング検定公式テキスト[インターネットマーケティング基礎編]著者。株式会社ワールドエンブレム代表取締役。1998年、早稲田大学卒業後、三菱電機株式会社入社。火力発電所プラントの海外輸出部門に所属。2006年、独立しICTコンサルティング会社(現ワールドエンブレム株式会社)を設立。インターネットマーケティング、システム開発、Web開発、セキュリティ監査、IT統制、ITガバナンス等の事業を展開。会社経営の傍らロースクール夜間部を卒業(法務博士)。2010年、株式会社コンプライアンス・コミュニケーションズ代表取締役に就任。
第8回 Twitterの大幅なルール改正
これまでTwitterは、ルール違反者に対して、ツイートの再開前に、その違反ツイートの削除を要請してきました。しかし、「その削除がTwitterの対応によるものなのか、それとも違反者自身で当該ツイートの削除をしているかが分かりにくい」という多くのフィードバックに受け、先頃、新たな通知での対応を追加するというルール改正の発表を行いました。
この事は、長年のTwitter利用者にとって大きな意味合いを持つニュースではないかと思います。
ルールの改正により、ツイートの削除が投稿者本人によって行われたのではなく、Twitterからの削除要請で行われた場合、「このツイートは、Twitterルールに違反したため表示できません」という通知が当該ツイートとプロフィールに表示される上、この通知にはTwitterルールとその対処についての詳細ページへのリンクが表示されることになりました。
さらに、ルール違反の通報者は、自身のタイムラインにおいても、その報告済みのツイートが「このツイートを報告しました」という通知で隠されることになり、違反者のtweetを見る苦痛から解放されることになったのです。
あえて極論すれば、これまではどんなに酷いツイートをしても、一定期間の凍結が解除された後は、特に制裁を受けることもなく、海外旅行でもしていたかのような言い訳を一言つぶやけば、凍結のダメージを最小限に食い止め、再びツイートし放題の日々を送れました。しかし、今後こうした状況は大きく様変わりするに違いありません。
なぜなら、ルール違反の表示を繰り返し受けるような利用者は、間違いなくフォロワー数が減少してゆくでしょうし、そうなればTwitterを悪用するチャンスもなくなるからです。
その一方で、目立たないですがこのルール改正には隠れたメリットとして強調しておきたい事が、もう一つあります。
それは、悪意なきルール違反により凍結を受けた場合、そこまでしなくても、と誰もが思うような凍結であれば、こうしたルール違反のツイートがあったことの告知は受けずに済むようになった点です。
そのことで、Twitterで仲間となった相手に一定期間凍結の処分がなされても、また戻ってきて一緒にやろうねと声をかけてあげる事もできます。
では、その悪意なきルール違反というのはどういったものがあるのでしょうか。
例えば、1万人のフォロワーがいる利用者の場合、フォロー可能な上限は1万1千人です。何かの要因によって(戦争や災害等による通信手段の破壊等)、一時的にフォロワー数とフォロー数のカウントが同時に1千減るとします。すると、フォロワー9千に対してフォローが1万となってしまいます。数日や十数日で元に戻るのが殆どなので、基本的には問題ないのですが、それまでの間、フォロワー9千の場合のフォロー数の上限である9千9百を100上回る状態となり、フォローが一切できません。
フォローして頂いた方にはフォローを返すという習慣を持つ方にとっては、挨拶されても挨拶を返さないようなものですので、相手に失礼と感じる場合もあるでしょう。
そこで、どうしても早急に事態を改善したいと考える方は、100以上のフォローを解除することによって解決を図ります。つまり、フォロー数がその上限を下回る状況を強引に作る方法で、いつの間にかフォローバックが解除されている相手を探して自分も解除してゆく訳です。
このような解除行為自体は何ら問題のない行為であり、ルール違反には当たりません。ですが、この大量のフォロー解除が短時間に行われると、twitterのルール違反に問われる可能性があり、最悪アカウントの凍結という事態に至ってしまいます。これが、悪意なきルール違反の一例です。
とはいえ、理由はどうであれルール違反はいけませんので、まずは違反しないように積極的にルールを学び、日々、ルールやマナーを守ってツイートするよう心がけましょう。
【参考ページ】
『Web担当者Forum 2018・10・19 ニュース』
https://webtan.impress.co.jp/n/2018/10/19/30767
『Twitterブログ 報告されたツイートとその対処に対する明確化』
https://blog.twitter.com
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