コラムの趣旨
ネットマーケティング検定公式テキストの著者による情報コラムです。
公式テキストでは紹介しきれないインターネットマーケティングに関する最新のトピックスについて、情報や解説などをお届けします。
本試験の事例問題でも取り上げられることの多い、インターネットビジネスの最前線について、マーケティングの視点から掘り下げていきたいと思いますので、ご参考になれば幸いです。
著者プロフィール
藤井 裕之(フジイ ヒロユキ)
ネットマーケティング検定公式テキスト[インターネットマーケティング基礎編]著者。株式会社ワールドエンブレム代表取締役。1998年、早稲田大学卒業後、三菱電機株式会社入社。火力発電所プラントの海外輸出部門に所属。2006年、独立しICTコンサルティング会社(現ワールドエンブレム株式会社)を設立。インターネットマーケティング、システム開発、Web開発、セキュリティ監査、IT統制、ITガバナンス等の事業を展開。会社経営の傍らロースクール夜間部を卒業(法務博士)。2010年、株式会社コンプライアンス・コミュニケーションズ代表取締役に就任。
第7回 コンピューターウイルスについて
インターネットを活用している人なら、誰しもが聞いた事ある『コンピューターウイルス』。パソコンやデータベースに保存されている情報を不正に引き出し、第三者の手によって悪用する為のプログラム又はそれらに保存されている情報類を破壊したり、使えなくさせる為のプログラム、というのが一般的な認識です。
正確な定義として、経済産業省が公布している『コンピュータウイルス対策基準』を参照すると、『第三者のプログラムやデータベースに対して意図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプログラム』とあり、 次の機能を一つ以上有するものが『コンピュータウイルス』と定義されます。
・自らの機能によって他のプログラムに自らをコピーし又はシステム機能を利用して自らを他のシステムにコピーすることにより、他のシステムに伝染する機能
・ 発病するための特定時刻、一定時間、処理回数等の条件を記憶させて、発病するまで症状を出さない機能
・ プログラム、データ等のファイルの破壊を行ったり、設計者の意図しない動作をする等の機能
そして、『コンピューターウイルス』はパソコンに潜入し、内部のファイルに寄生し、自分自身のコピーを作り上げ、自己増殖していくのが特徴です。そうする事で自分自身を拡大していき、他のパソコンへ攻撃を加えたり、情報を盗み出したりといった被害を与えていくのです。
また、『コンピューターウイルス』とは呼びませんが、それと似た性質で、プログラムやデータベースに被害をもたらす、『トロイの木馬』や『ワーム』と言ったものが存在します。『トロイの木馬』とは、何らかのきっかけにより悪意ある動作を開始して、データベースやプログラムを破壊したり盗み出す動作を備えたプログラムの事です。『コンピューターウイルス』との違いは自己増殖をしないという点です。
『ワーム』とは、自身を複製して他のシステムに拡散していく性質を持ったプログラムであり、『コンピューターウイルス』との違いはファイルに寄生する必要がなく、単独で行動できるという点です。これらは全て『マルウェア』の一種で、『マルウェア』とは悪意を持って作成されたソフト及びコードの総称を指します。
インターネットが発展していく中で、『コンピューターウイルス』といった悪意あるソフトやコードは常に付きまとい、侵入の機会を伺っているのです。
メールに偽装して侵入したり、ホームページを閲覧すると同時に侵入したりといった方法は常套手段で、パソコンやデータベースは常に脅威に晒されていますが、パソコンやデータベースを利用する人達は『コンピューターウイルス』、引いては『マルウェア』の対策に、どの様な事をすれば良いのでしょうか。
まず一つ目は、OSを常に最新のバージョンにしておく事です。ソフトウェアやOSの更新は新しい機能の追加だけでなく、脆弱性、つまりプログラムの欠陥を無くす事も兼ねて行われます。『コンピューターウイルス』などの悪意あるソフトやコードはパソコンやデータベースの脆弱性を突いて侵入するので、常に最新バージョンにするべきなのです。
二つ目はウイルス対策ソフトを利用する事です。これは定番の事ですが、ウイルスなどの悪意あるプログラムを自動的に検知し、排除または利用者に報告するためとても有効です。
三つ目は身に覚えのないメールやファイルを開かない事です。先述の通り、企業や取引先などから来たメールに偽装させ、侵入させるというのが手口の一つであるため、身に覚えのないメール及びファイルは絶対に開かない様にするべきです。
また、他の対策として、所有者が分からないUSBメモリーは絶対に使わない、不審なソフトをダウンロードしない、怪しいページにはいかない、重要なデータはUSBメモリーなどの他媒体にバックアップをとっておくといった手段もあります。
これらは、対策の一部ですが、こういった対策を日ごろからきちんと行い、ウイルスの脅威に備えるのが望ましいと言えます。
【参考ページ】
『コンピュータウイルス ーウィキペディアー』
https://ja.wikipedia.org/wiki/コンピュータウイルス
『クラウド時代のビジネスメディア ボクシルマガジン コンピューターウイルス対策8選|感染しないためにすべきこと』
https://boxil.jp/mag/a2571/
『サイバーセキュリティ.com コンピューターウイルスとは?その種類・感染経路と駆除方法など対策を解説』
https://cybersecurity-jp.com/security-measures/17886
バックナンバー
- 公式テキスト著者コラム 第53回 アドフラウドとは(2022年8月23日)
- 公式テキスト著者コラム 第52回 デジタルインセンティブとはなにか(2022年7月9日)
- 公式テキスト著者コラム 第51回 クラウドコンピューティングの特徴(2022年6月16日)
- 公式テキスト著者コラム 第50回 モバイルファーストインデックスの重要性(2022年5月13日)
- 公式テキスト著者コラム 第49回 SEO対策における内部施工を理解しよう(2022年4月26日)
- 公式テキスト著者コラム 第48回 Webサイトのクローリングを促すには(2022年3月18日)
- 公式テキスト著者コラム 第47回 動的リマーケティング広告の活用(2022年2月22日)
- 公式テキスト著者コラム 第46回 ECマーケティングを理解しよう(2022年1月13日)
- 公式テキスト著者コラム 第45回 重複コンテンツを避けたサイト運営をしよう (2021年12月7日)
- 公式テキスト著者コラム 第44回 スマートフォンアプリの開発方法とリリース方法 (2021年11月16日)
- 公式テキスト著者コラム 第43回 インターネットテレビとは (2021年10月11日)
- 公式テキスト著者コラム 第42回 SEOの外部対策を理解しよう (2021年9月7日)
- 公式テキスト著者コラム 第41回 SEOにおけるE-A-Tの重要性 (2021年8月5日)
- 公式テキスト著者コラム 第40回 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か (2021年7月21日)
- 公式テキスト著者コラム 第39回 テレワーク時に用いられるWeb会議ツールについて (2021年6月29日)
- 公式テキスト著者コラム 第38回 ウォーターフォール型開発とアジャイル型開発 (2021年6月10日)
- 公式テキスト著者コラム 第37回 最近のICTサービスの利用動向について (2021年5月19日)
- 公式テキスト著者コラム 第36回 UIデザインのポイント (2021年4月2日)
- 公式テキスト著者コラム 第35回 A/Bテストとは何か (2021年3月9日)
- 公式テキスト著者コラム 第34回 被リンク対策とは (2021年2月24日)
- 公式テキスト著者コラム 第33回 DMP(データマネジメントプラットフォーム)とは何か (2021年1月14日)
- 公式テキスト著者コラム 第32回 キャズム理論とは何か (2020年11月25日)
- 公式テキスト著者コラム 第31回 パルス型消費行動とは何か (2020年10月19日)
- 公式テキスト著者コラム 第30回 コンテンツマーケティングの概要と成功事例 (2020年9月1日)
- 公式テキスト著者コラム 第29回 ユーザーの行動文脈を可視化するカスタマージャーニーマップ (2020年8月18日)
- 公式テキスト著者コラム 第28回 「wwwあり」と「wwwなし」でSEOに影響はあるのか (2020年7月20日)
- 公式テキスト著者コラム 第27回 マーケティング環境を把握するために重要な3C分析とは (2020年6月8日)
- 公式テキスト著者コラム 第26回 CTAを意識したマーケティング (2020年4月28日)
- 公式テキスト著者コラム 第25回 ソーシャルメディアに特化した行動理論「SIPS」 (2020年4月14日)
- 公式テキスト著者コラム 第24回 パーチェスファネルとは (2020年3月27日)
- 公式テキスト著者コラム 第23回 オーディエンスデータの活用 (2020年3月2日)
- 公式テキスト著者コラム 第22回 リレーションシップマーケティングの事例 (2020年1月29日)
- 公式テキスト著者コラム 第21回 オウンドメディアの特徴と事例 (2019年12月19日)
- 公式テキスト著者コラム 第20回 防災分野におけるICT活用事例 (2019年11月12日)
- 公式テキスト著者コラム 第19回 エリアターゲティング広告とは (2019年10月3日)
- 公式テキスト著者コラム 第18回 SNS広告の種類とポイント (2019年8月28日)
- 公式テキスト著者コラム 第17回 動画広告について (2019年8月1日)
- 公式テキスト著者コラム 第16回 ライブ配信サービスについて (2019年7月2日)
- 公式テキスト著者コラム 第15回 eスポーツについて (2019年6月11日)
- 公式テキスト著者コラム 第14回 情報通信機器やインターネットの利用動向 (2019年5月14日)
- 公式テキスト著者コラム 第13回 ITの技術を駆使したインバウンド対策 (2019年4月4日)
- 公式テキスト著者コラム 第12回 AIスピーカーやウェアラブルコンピューターなどの各種端末の利用状況(2019年3月8日)
- 公式テキスト著者コラム 第11回 各種プログラミング言語について (2019年2月7日)
- 公式テキスト著者コラム 第10回 Unityのゲーミング分野以外での応用 (2019年1月8日)
- 公式テキスト著者コラム 第9回 日本のフェイクニュース対策は大丈夫か (2018年12月10日)
- 公式テキスト著者コラム 第8回 Twitterの大幅なルール改正 (2018年11月19日)
- 公式テキスト著者コラム 第7回 コンピューターウイルスについて (2018年10月15日)
- 公式テキスト著者コラム 第6回 人工知能利用例と、その危険性 (2018年9月5日)
- 公式テキスト著者コラム 第5回 著作権をどう理解する? (2018年7月27日)
- 公式テキスト著者コラム 第4回 VR技術は最先端技術か (2018年7月4日)
- 公式テキスト著者コラム 第3回 AIのAPI (2018年6月6日)
- 公式テキスト著者コラム 第2回 AIブーム今昔 (2018年5月14日)
- 公式テキスト著者コラム 第1回 HoloLens(2018年4月10日)