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著作権の読み物

2026/01/26Webサイトを作りたい! 著作権の観点から見たときに「安全な」サイトとは

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Webサイトを作っている企業の経営者・法務・Webご担当者様、フリーランスのクリエイターの皆様は、自社のWebサイトが「著作権の観点から見て問題がないか」という点を気にされているのではないでしょうか。
Webサイトを作る上で、著作権の知識は必須であるといえます。著作権を理解せずに作ったWebサイトは、常に訴訟のリスクがつきまとい、著作権を侵害したWebサイトであると判断されると、顧客が離れてしまうことも予想されるからです。

そこで、本記事では、著作権の基本から、Webサイト制作における著作権について、またWebサイトに関わる著作物の種類やWebサイト制作を外注する際に知っておくべきことなどを、詳しく解説します。

当サイトを運営するサーティファイは、ビジネス著作権検定を開催しており、意図しない著作権侵害を起こさないためのリテラシーを身につけるためにご利用いただいています。
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著作権の基本とは

まずは、基本となる「そもそも著作権とは何か」について解説していきます。

著作権

著作権は、知的財産権のうちの一種で、分かりやすくいえば「著作物を守るための権利」です。
もし著作権がなければ、自身が苦労して作った画像や文章などの作品を勝手に使われてしまう恐れがあります。このような状況下では、誰もが創作のモチベーションを失うことになり、新しい作品が創造されなくなってしまうでしょう。
そのような事態を避けるために、著作権の考え方が生まれました。

著作権には「著作権(著作財産権)」と「著作者人格権」の2つがあります。
一つずつ解説していきましょう。

著作権(著作財産権)

「著作権(著作財産権)」は「(狭義の)著作権」とも呼ばれるものです。これは他人に譲ることのできる権利であり、「著作物を複製する権利」などがここに属します。
たとえば「文章を作った著作者が、Webサイトを作っている制作会社にその文章を売り、「著作権(著作財産権)」を譲渡するという契約を結ぶことも可能です。

著作者人格権

「著作者人格権」とは、「その著作物を作った人だけが持つ権利」のことをいいます。この権利を持っている人は、

・自分の作った著作物を、合意なしに改変されない権利
・自分の作った著作物を公表するかしないかを決める権利
・自分の作った著作物の公表時に、自分の名前を示すか示さないか(示す場合はどのような名前にするか)を決める権利

を有します。

著作権(著作財産権)と著作者人格権は、その意味が異なるものです。
著作権(著作財産権)を譲渡することができる一方、著作人格権は人に譲ることはできません。

著作物

著作物とは、その人の持つ思想や感情を、自身の創造性をもって制作したもののことです。たとえば、写真や音楽、小説や絵画などがこれにあたります。
一方で、事実を列挙した文章(「○月×日、▼▼でM7の地震が起きた」など)は著作物にはあたりません。

著作者

著作者とは、著作物を制作した人のことをいいます。「著作者人格権」は、この「著作者」に帰属する権利です。
また「著作権者」とは、著作者から著作権の譲渡を受けた人を指します。著作者から著作権を譲られた人が著作権者になれるため、著作権者と著作者は必ずしもイコールにはなるわけではありません。

Webサイト制作における著作権について

著作権の基本を理解したところで、ここからは「Webサイトにおける著作権はどのように扱われるか」について解説していきます。

Webサイトの著作権は誰のもの?

著作者はその著作物を制作した段階で、その著作物の著作権を有します。これは自動的に発生するものであり、一切の手続きを必要としません。
WebサイトをWeb制作会社(または制作者)が作った場合、その著作権(著作財産権)は、当然にしてそのWeb制作会社(または制作者)が持つことになります。

著作権(著作財産権)の譲渡について

著作権(著作財産権)は、前述したように、他者に譲ることができます。
つまり、「Web制作会社が作ったWebサイトの著作権(著作財産権)を、依頼主であるクライアントに譲ること」が可能です。また、著作権(著作財産権)を譲っていない場合は、クライアント側でWebサイトの微修正ができません。

このときに注意が必要なのが、「著作者人格権」です。著作者人格権は、著作者であるWeb制作会社に残り続けることになります。しかし、この権利をもとにWeb制作会社が「改変を許さない」としたり、改変のために毎回許可を取ったりすることは、非常に大変です。

そのため実際の制作の現場では、契約書に著作権を譲渡する項目とともに、著作者人格権を行使しないことを記載するのが一般的だといえるでしょう。

Webサイトの著作権には何が該当する?

ここからは、「Webサイト制作に関係する著作物」について解説します。

画像

Webサイト制作に使用されている画像には、制作者の思想や創造性が反映されているため、著作物として認められています。

Webサイトで使用するフリー画像を配布しているサイトもありますが「帰属表示が必要」「商業利用不可」などのように、条件が設定されているものもあるため注意しましょう。
また「改変は不可」としている画像もあるので、その都度確認が必要です。

有料画像サイトの場合は基本的には支払いをすることで加工などが認められることが多いといえますが、この場合も、利用条件を必ず確認するようにしましょう。

悪質な例として、「著作権者に許可を取らず、第三者が勝手に画像を画像配布サイトに登録した」などが挙げられます。「その画像の著作権者が別にいるかどうか」を確実に確かめる方法はありませんが、画像を検索して調べることで、リスクを抑えることは可能です。

さらに、「桜 無料」などで検索してヒットした画像も、実はフリー画像ではなかったということがあるので注意しましょう。

なお、グラフや表は基本的には著作物としては扱われません。ただし、デザイン性が高いものなどは、例外的に著作物と判断される場合があります。

文章

Webサイトにある文章も、基本的には著作物として認められます。たとえばコラムなどがその代表例です。
ただし、非常に短く、創造性が認められない文章に関しては、著作権が認められないケースもあります。実際の裁判で、キャッチフレーズの著作物性が否定された事例もあるため注意が必要です。

なお、先に述べた通り、Web制作会社が作った文章などは、基本的にその会社が著作権を有します。そのため、契約の際に、著作権の譲渡と著作者人格権の不行使を盛り込んでおかなければ、クライアント側は、その文章の改変ができません。

音楽

Webサイトで使用されている音楽は、歌詞の有無にかかわらず、著作物として認められます。ちなみに音楽は、短くても長くても著作物として認められることを理解しておきましょう。

有名な楽曲や好きな歌手の曲など使用したい場合は、日本音楽著作権協会など音楽著作権管理団体や著作権保有者へ申請が必要になることがあります。Webサイトで音楽を使用する際には、どこに著作権があるのかを確認しておきましょう。

動画

Webサイトで使用している(使用する)動画も、その作成段階において撮影や編集が必要となるため、著作物として扱われます。
また、そこに使用されているイラストや音楽なども、著作物と判断されるため注意が必要です。

ソースコード・設計書

ソースコードやシステムなどの設計書に著作権が認められるかどうかは、判断が非常に難しいといえます。
これらの判断は一概に「認められる、認められない」といえるものではないため、個別の判断が必要です。

たとえば、プログラム自体には著作権が発生するため、コンピュータに指令を与える文字列(ソースコード)にも著作権が認められると考えられます。しかし、創造物であるプログラムのみが保護され、それを表現する手法は著作物として保護されないとする見方もあるようです。

また、著作権が認められた場合における著作権侵害については、ソースコードがどの程度一致しているか(類似している割合)、別の表現で創作できるのかなどが判断のポイントになるでしょう。

著作権を侵害してしまったらどうなる?

著作権を侵害した場合、ペナルティが科されます。
そのペナルティと、著作権侵害の事例について見ていきましょう。

著作権侵害のペナルティ

著作権を侵害し、そのことで著作権者から訴えられた場合、損害賠償や名誉回復措置などの請求をされることがあります。
なお、著作権を侵害した場合には、10年以下の懲役、1000万円以下の罰金のいずれか、またはその双方を科すという罰則(著作権補119条1項)があることも理解しておきましょう。

出典:総務省e-Gov「著作権法」

著作権侵害の事例

著作権侵害の事例を紹介していきます。

事例1:画像やイラストの無断使用

よくある侵害事例の一つが、「画像の無断使用」です。他者の著作物をWebサイトに使うことはもちろん、SNSのアイコンなどに使うことも厳密にいえば著作権侵害と判断されます。

事例2:地図のガイドライン違反

意外に思われるかもしれませんが、GoogleマップやYahoo!マップなども著作物と判断されます。これらには「商用利用におけるガイドライン」が設けてあるので、使用する前に必ず確認しましょう。

事例3:デザインの無断使用

Webサイトに使用するロゴが、他の人が過去に発表したデザインと酷似していた場合などは、著作権を侵害したと判断されることがあります。
デザインは似通ってしまうことがあるため、「わずかでも似ているからNG」とまでは言い切ることはできませんが、非常に似たものを使用した場合は、著作権違反となるケースが多いでしょう。

著作権を侵害しないために注意すること

上記を踏まえた上で、Webページ作成時に注意するべき点について解説していきます。

画像・動画は商用利用可能か確認しましょう

Webサイトで画像を利用する場合は、主に以下の3点を確認しましょう。

・著作権の帰属表示の要不要
・商用利用の可否
・改変の可否

また、画像サイトを活用する場合は、必ずそのサイトの規約に目を通すようにしてください。

画像や文章は引用ルールを守って使用しましょう

他者が著作権を持っている画像や写真、テキストなどは、一切の転用が禁じられるというわけではありません。必然性が認められ、引用部分が「従(補足)」、オリジナル部分が「主」であるなどの引用の条件を満たせば、無断で引用することは可能です。
ただしこの場合は、出典元の表記方法も含めて、ルールを正しく守らなければなりません。

写真や動画撮影を行う際は、著作権を意識して撮影しましょう

自社でWebサイトを作る場合は、いわゆる「写り込み」にも配慮しましょう。写真などに著作物であるキャラクターや、他者・他社の商標登録されているロゴなどが入っていないかを確認してください。
文化庁の見解としては「画像の背景に小さく絵が写りこんでいた」などの場合は問題にされないとしていますが、安全なWebサイトを作りたい場合は、この点にも気をつけた方がリスクは低くなるでしょう。

Webサイト制作を外注する際に知っておくべき対策法

最後に、Webサイト制作を外注する際、著作権を侵害しないために知っておくべきことについて解説します。

ライセンス契約の締結

ライセンス契約とは「利用許諾契約」と呼ばれるもので、著作権の利用許可を相手に与えるものです。このライセンス契約を著作権者と結んでおけば、トラブルを避けられます。
またその際には、想定されるトラブルを未然に防ぐために必要な規定条項を盛り込んでおきましょう。

外注先と著作権譲渡契約の締結

Webサイト(ホームページ)の制作を外注する際には、必ず「著作権譲渡契約」を結びましょう。これを行わなければ、著作権は制作者側にあることになってしまい、改変ができなくなってしまいます。契約書は依頼者側・制作者側どちらが用意しても構いません。

著作者人格権の不行使条項について

著作権(著作財産権)は譲渡できますが、著作者人格権は譲渡できません。そのため、契約にあたっては、トラブルを避けるためにも「著作者人格権不行使条項」を適切に記載しておく必要があります。
この項目がなければ、たとえ著作権を有していたとしても、著作者人格権を盾に、完成したWebサイトへの改変にNGを突きつけられる可能性があるからです。

「著作権譲渡契約」と「著作者人格権不行使条項」をセットにした契約書のひな型を作っておけば、自社(自分)好みのWebサイトを構築できるようになります。

著作権について効率よく学ぶなら

企業の経営者・法務・Webご担当者様やフリーランスのクリエイターの皆様にとって、「自社の作るWebサイトが、他社・他社の著作権を侵していないか」「自社で作った(あるいは自社が運営する)Webサイトの著作権が侵されていないか」は、非常に重要です。

ただし、独学で著作権のことを学んでいても、それが本当に正しい知識かどうかは、なかなか判断できません。自身の知識レベルを客観的に判断するためにも「ビジネス著作権検定」を受けることをおすすめします。

ビジネス著作権検定では以下のような問題が出題されます

Q
著作者人格権に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
著作者は、自己の未公表の著作物について、著作権を譲渡した場合でも、常に公表権を行使できる。
著作者は、自己の著作物について、常に実名を表示させる権利がある。
著作者は、自己の著作物が学校教育に利用される場合であっても、一切の改変を禁止する権利がある。
著作者は、自己の著作物が私的使用として複製される場合であっても、複製にあたり著作者人格権の行使を制限されることはない。
このように、クイズ形式で著作権に関するリテラシーを効率的にUPしたい場合は、ビジネス著作権検定を受けてみてください。
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(先ほどのクイズは「エ」が正解です)

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