著作権を学ぶための教材はいくつかありますが、この記事ではそれぞれの教材の特徴や、実際に教材で取り扱われている著作権のクイズをご紹介します。
著作権について学べる動画教材
例えば、サーティファイのビジネス著作権検定(著作権や知的財産権の保護、知識、活用能力を証明する資格・検定試験)は
・BASIC
・初級
・上級
の3段階に分けられていますが、ビジネス著作権検定用の教材の一つである動画教材は、初級と上級の2つで展開しています。
初級では「他者の著作権を侵害せずに、正しく安全に利用するための知識」を問い、上級ではさらに「著作権利用に関する問題点を自ら発見し、司法制度や条約についての知識レベルまでが問われる」という特徴があります。
動画の内容も、このような初級・上級の違いに基づいたものです。
動画教材はいずれも約6時間で、受講の手引きや講義録、確認問題集や確認問題解説によって構成されています。
動画教材での学習は「文字だけでは分かりにくい部分を理解しやすい」「通常は倍速再生で見ていて、気になるところだけを普通再生で学ぶことで、時間の短縮ができる」というメリットがあります。また、移動中や家事などの間に音声だけ流し聞きして復習し、知識の定着を図れるのも、動画教材の魅力です。
なお、動画教材は、ビジネス著作権検定の突破を主な目的としているものの、企業やフリーランスの創造・創作活動に求められる「知っておくべき知識」「リテラシー教育」も網羅しています。
ビジネス著作権検定のテキスト教材
テキスト教材は動画教材と比べて「自分のスピードで解説文を読んでいける」「理解が進まないうちに、次の項目に解説が移ってしまうという問題点を解決できる」といったメリットがあります。また、テキストにメモを書き込む、付箋を貼る、索引を活用するなどは、王道の学習方法です。
「文字でインプットしていきたい」と考える人には、テキスト教材での学習がおすすめです。
テキスト教材は、種類によって取り扱っている内容が異なります。いずれもビジネス著作権検定の突破を目指すものではありますが、著作権全般についての知識をつけたいのか、それとも試験の突破を第一の目標にしたいのかによって、選ぶべきテキストが変わります。
自身や自社の目的に合った教材を選ぶとよいでしょう。
ビジネス著作権検定の公式問題集
動画教材やテキスト教材にも、実際のビジネス著作権検定の設問を想定した問題文はありますが、公式問題集は、より多くの設問を収録しています。
初級の問題集には85問、上級の問題集には93問の設問が収録され、実際のビジネス著作権検定のテストに近いイメージで解答していくことができます。
問題集でビジネス著作権検定の問題を数多く解くことで、著作権に関するさまざまな知識を身につけられます。また、学習の成果として、ビジネス著作権検定の合格を目指す方には、こちらの公式問題集が特におすすめです。
なお、ビジネス著作権検定の公式問題集には、初級問題集と上級問題集があり、それぞれに書籍版とデジタル問題集版があります。
・初級...練習問題85問と過去問題(書籍版は2回分、デジタル問題集版が4回分)を収録
・上級...練習問題93問と過去問題(書籍版もデジタル問題集版も2回分)を収録
デジタル問題集版は、実際のWeb試験と同様の画面で解答の練習ができること、購入後すぐに利用開始できること、自動採点機能が搭載されているため、答えのチェックが非常に楽になることが特徴です。
一方、デジタル問題集版には「利用期限は1年間」という制限があり、書籍版では受験後も手元に残しておけるというメリットがあります。
書籍版とデジタル版ではそれぞれのメリットが異なるため、自身や自社にとって使いやすいほうを選ぶとよいでしょう。
今すぐ解きたい方向けの著作権クイズ
ここからは、各種教材から、3つの設問をピックアップして紹介します。
【初級】
1. 次の記述のうち、正しいものはどれか。
ア テレビゲームの販売用パッケージに描かれたイラストは、著作物となり得る。
イ テレビゲームは、著作物として保護されない。
ウ テレビゲームの中で使用されている音楽は、著作物として保護されない。
エ テレビゲームには、上映権はない。
2. 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア 小学校において、PTA会長がPTAの案内として他人の著作物をコピーして生徒に配布すると、複製権の侵害となる。
イ 国立大学付属中学に進学したい小学生相手の予備校が、教材として他人の著作物をコピーして生徒に配布すると、複製権の侵害となる。
ウ 高等学校の生徒が授業で使うために他人の著作物をコピーして配布しても、複製権の侵害とはならない。
エ 先生が、中学校において、朝礼の合図として校庭で音楽CDの楽曲を流すことは、楽曲の著作権の侵害となる。
【上級】
3. 次の記述のうち、正しいものはどれか。
ア 著作権者である法人が解散した場合、著作権は国庫に帰属することになる。
イ 著作者でない著作権者(自然人)が死亡した場合は、相続人はその著作権を相続できない。
ウ 著作権が譲渡された場合は、それに伴い著作者人格権も譲渡されたと推定される。
エ 著作権のうち、公衆送信権だけを譲渡することは可能である。
次の項目では、それぞれの問題の正答と解説を紹介します。
著作権クイズの解答
1.こちらの正解は、アの「テレビゲームの販売用パッケージに描かれたイラストは、著作物となり得る」です。
テレビゲームそのものだけでなく、販売用パッケージに描かれたイラストやゲーム内で使用される音楽も、創作性があれば著作物となりえます。
2.エの「先生が、中学校において、朝礼の合図として校庭で音楽CDの楽曲を流すことは、楽曲の著作権の侵害となる」が誤った記述です。
著作権の原則として、「学校(※営利目的の場合は除く)で教育のために使用する場合は、限度を超えない範囲で、公表された著作物の複製利用などが認められる」という規定があります。そのため、教育機関では「試験のために、既存の小説の一部分をコピーして、そこから出題をする」などが認められています。
また、営利を目的としない場合で、かつ料金を受け取らない場合は、公表された著作物の演奏をしても他者の権利を侵さないと考えられ、ウとエは著作権の侵害にはなりません。
しかし、PTAで利用する場合は「教育のために利用する」とは判断されません。また予備校での授業は、先に述べた「営利目的」での著作物の利用となるため、著作権を侵害していると考えられます。
このことから、ア・イ・ウは誤りではなく、「営利を目的としないで、かつ料金を受け取らないで演奏や上演をした場合でも著作権を侵害したと考えられる」としたエが誤りであるといえます。
3.正解はエの「著作権のうち、公衆送信権だけを譲渡することは可能である」です。
「公衆送信権」とは、「著作物の送信を制御できる権利」のことをいいます。公衆送信権は著作権のうちの一部です。そしてこの公衆送信権は、著作権者が他者に対して部分的に譲渡することが認められている権利ですから、「著作権のなかで、公衆送信権のみを他者に渡す」などのようなことができます。
ここでは3つ紹介しましたが、ビジネス著作権検定のサンプル問題ページでは、より多くの問題が紹介されています。
解いてみたい方は、ぜひダウンロードをしてみてください。
著作権について教材で学んだあとは
学んだ知識のチェックには「ビジネス著作権検定」がおすすめです。「動画教材」「テキスト教材」「問題集」から自身や自社にとって使いやすいものを選んでぜひ学んでみてください。
ビジネス著作権検定では以下のような問題が出題されます
電子パンフレットを
ご用意しています。
サンプル問題を
掲載しています。