「機械学習」「深層学習」「GPT」など、AIに関する言葉を目にする機会が増えています。馴染みがあっても「それって何なの?」と聞かれたときに説明するのは難しい......と感じる方もいるのではないでしょうか。
今回は、AI検定の学習で押さえておきたい10のキーワードを紹介します。用語を丸暗記するだけでなく、身近な例や関連する言葉と結びつけて理解していきましょう。
1.機械学習(Machine Learning):データからパターンを学ぶ
機械学習とは、データからパターンや規則性を学び、予測や分類などを行う技術です。人がすべての判断ルールを設定するのではなく、データを使ってモデルを学習させます。
例えば、過去の住宅の広さや価格を学習して別の住宅の価格を予測したり、メールの特徴を学習して迷惑メールを判定したりします。学習に使うデータの質や偏りは、結果にも影響します。
2.深層学習(Deep Learning):多くの層で特徴を学ぶ
深層学習は、多数の層を持つニューラルネットワークを使う機械学習の一種です。ニューラルネットワークは、脳の神経細胞のつながりに着想を得た数理モデルで、層を通じて入力された情報を変換します。
画像認識では、線や模様などの特徴から、より複雑な形の特徴へと段階的に学習できます。画像認識、音声認識、文章生成など、さまざまな分野で活用されています。
「AIの中に機械学習があり、機械学習の中に深層学習がある」と整理しましょう。機械学習と深層学習は、別々の技術分野として並ぶものではありません。
3.教師あり学習:正解付きのデータで学ぶ
教師あり学習とは、入力データと、それに対応する正解を使って学習する方法です。この正解は「ラベル」とも呼ばれます。
例えば、犬や猫の画像に「犬」「猫」というラベルを付けて学習させ、新しい画像がどちらに当たるかを判定します。種類を判定する「分類」や、住宅価格のような数値を予測する「回帰」が代表的な課題です。
4.教師なし学習:正解を与えず、データの構造を見つける
教師なし学習とは、正解ラベルを与えずに、データの特徴や構造を見つける学習方法です。
例えば、顧客の購買データをもとに、購入傾向が似ている人をグループに分けます。このように、似たデータをまとめる方法を「クラスタリング」と呼びます。多くの特徴を少ない指標にまとめる「次元削減」も、代表的な手法です。
教師あり学習は「正解付きで学ぶ」、教師なし学習は「正解ラベルなしで構造を見つける」と覚えましょう。「教師」は人が付き添うことではなく、学習に使う正解情報を指します。
5.アンサンブル学習:複数のモデルを組み合わせる
アンサンブル学習とは、複数のモデルの予測結果を組み合わせる方法です。一つのモデルだけで判断するよりも、予測の精度や安定性を高めることを目指します。
例えば、複数の分類モデルの結果を多数決で決めたり、複数のモデルが予測した数値を平均したりします。代表的な方法には、複数のモデルを学習して結果をまとめる「バギング」や、前のモデルの誤りを補うように順次学習する「ブースティング」があります。
6.回帰型ニューラルネットワーク(RNN):順番や過去の情報を扱う
回帰型ニューラルネットワークは、過去の処理で得た情報を次の処理に引き継ぐ構造を持つニューラルネットワークです。「再帰型ニューラルネットワーク」や「リカレントニューラルネットワーク」とも呼ばれます。
単語の並び、音声、時間ごとの観測値など、順序に意味があるデータを扱うために使われます。例えば、直前までの単語の情報を使って、次に続く単語を予測します。
RNNの「回帰型」と、数値を予測する課題の「回帰」は別の概念です。RNNは「過去の情報を引き継いで、順番のあるデータを処理する」と押さえましょう。
7.畳み込みニューラルネットワーク(CNN):画像の特徴を捉える
畳み込みニューラルネットワークは、データの局所的な特徴を抽出する「畳み込み」という処理を使うニューラルネットワークです。特に、画像認識で広く活用されています。
画像の小さな領域にフィルタを適用しながら、線や模様などの特徴を捉えます。層を重ねることで、より複雑な特徴を学習し、写っている物の判定などに役立てます。
RNNは「順番や過去の情報」、CNNは「画像などの局所的な特徴」と結びつけると、基本的な違いを整理しやすくなります。
8.GPT:文章生成などに使われるAIモデル
GPTは、Generative Pre-trained Transformerの略で、Transformerという深層学習の仕組みを使った、事前学習済みの生成モデルを指します。
文章生成では、文脈をもとに次に続くトークンを予測し、出力をつなげて文章を作ります。トークンとは、文章を処理するための単位で、単語や単語の一部などに相当します。文章作成、要約、翻訳などに活用されています。
Transformerは、文章中のどの部分に注目すべきかを捉える「注意機構(Attention)」を使います。GPTとRNNは、異なる構造のモデルです。
9.ハルシネーション:もっともらしい誤情報を生成する
ハルシネーションとは、AIが事実と異なる内容や、根拠のない内容を、もっともらしく生成する現象です。
例えば、実在しない書籍を紹介したり、存在しない研究結果や出典を示したりすることがあります。自然で説得力のある文章でも、内容が正しいとは限りません。
重要な情報は、公式資料や一次資料と照合することが大切です。出典を尋ねることは確認の手がかりになりますが、示された出典自体が実在するか、回答を裏付けているかまで確かめましょう。
10.AI-Readyな社会:AIを適切に活用できる社会
AI-Readyな社会とは、AIの恩恵を受けながら、リスクにも対応できるよう、社会全体の準備が整った状態を指します。AIを導入するだけでなく、人材育成、制度、データや技術の基盤などを整えることが重要です。
内閣府の「人間中心のAI社会原則」では、AIを適切かつ積極的に社会で活用するための考え方が示されています。AIの基礎を学ぶことに加え、プライバシーや公平性、安全性にも目を向ける必要があります。
私たち一人ひとりが、AIの得意なことと限界を理解し、出力を確かめながら活用することも、AI-Readyな社会につながります。
用語は、「データから学ぶ仕組み」「学習方法」「モデルの構造」「生成AIの特徴と注意点」「社会での活用」に分けて整理しましょう。同じ分類の用語を比較し、具体例と結びつけると、意味や違いを理解しやすくなります。

