生成AI、とっても便利ですよね。毎日活用している方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

生成した画像、AIを使った新しい技術、開発に使うデータは法律にも関わってきます。これらがどのような法律で守られるのか説明できますか?

AIに関わる知的財産の保護を理解するために、知的財産の基本と3つの法律の役割を紹介していきます。

1.知的財産:作品や技術、情報も大切な財産

知的財産とは、人の創作活動から生まれた作品や発明、事業に役立つ技術上・営業上の情報などを指します。形のある物だけでなく、文章や画像、技術やノウハウも財産としての価値を持ちます。

知的財産を守る権利や法律の仕組みは、保護する対象によって異なります。AIに関わるものについても、「何を守りたいのか」に応じて、著作権法、特許法、不正競争防止法などを考える必要があります。

2.著作権法:文章や画像などの「表現」を守る

著作権法は、思想や感情を創作的に表現した著作物を保護する法律です。文章、画像、音楽、プログラムなどが対象となり、単なるアイデアや事実そのものは保護されません。著作権は、著作物を創作した時点で原則として発生し、登録は不要です。

AIが生成したものが著作物として保護されるかは、人の創作的な関与などによって判断されます。また、AIの生成物でも、既存の著作物との類似性や依拠性が認められる場合には、その利用が著作権侵害となる可能性があります。

コンピュータにまつわる著作権も覚えましょう。

プログラムの著作権

AIを動かすプログラムも、コードの表現に創作性があれば、著作物として保護されます。ただし、プログラミング言語や規約、解法(アルゴリズム)そのものには、この保護は及びません。処理の手順というアイデアと、それを具体的に記述したコードの表現を区別することが大切です。

データベースの著作権

データベースは、収録する情報の選び方、または体系的な構成に創作性がある場合、著作物として保護されます。AIの学習用データをまとめたものも、条件を満たせば保護の対象となります。単に大量のデータを集めただけで、必ず保護されるわけではありません。また、データベース自体の著作権と、収録された文章や画像などの著作権は別に考える必要があります。

3.特許法:新しい技術の「発明」を守る

特許法は、自然法則を利用した技術的なアイデアである「発明」を保護する法律です。特許権を得るには出願し、新規性や進歩性などの要件について審査を受け、登録される必要があります。

AIを使った画像の判定方法や機器の制御方法なども、要件を満たせば特許の対象となり得ます。ただし、「AIを使う」というだけで特許になるわけではありません。具体的な技術の仕組みや、従来の技術との違いが重要です。

ソフトウェア特許

ソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアを用いて具体的に実現されている場合などには、特許法上の「発明」に該当し得ます。AIを使った画像の判定方法や機器の制御方法も、新規性や進歩性などの要件を満たし、出願・審査を経て登録されれば、特許権による保護を受けられます。プログラムの著作権がコードの創作的な表現を守るのに対し、ソフトウェア特許は具体的な技術の仕組みを守ります。

4.不正競争防止法:営業秘密や一定のデータを守る

不正競争防止法は、営業秘密の不正な取得・使用・開示などを規制する法律です。営業秘密として保護されるには、「秘密として管理されている」「事業に役立つ」「公然と知られていない」という3つの要件を満たす必要があります。

AIの開発ノウハウや学習用データも、これらの要件を満たせば営業秘密として保護され得ます。また、特定の相手に提供するため、相当量を電子的に蓄積・管理している情報は、営業秘密に該当しない場合でも、一定の要件を満たす「限定提供データ」として保護されることがあります。

ポイント

著作権法は「創作的な表現」、特許法は「技術的な発明」、不正競争防止法は「営業秘密や一定のデータ」の保護に関わります。AIに関わるものがすべて自動的に保護されるわけではなく、対象や保護の条件を確認することが大切です。