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リレーコラム

小森茂

コラム執筆者:小森茂

コミュニケーション能力認定委員会 委員
青山学院大学教育人間科学部 教授
元 文部省初等中等教育局小学校課教科調査官
日本国語教育学会 常任理事・日本言語技術学会 常任理事
小学校国語(東京書籍)代表編集

主な著書

あなたのコミュニケーション能力の基盤を考えよう

一 日本の児童生徒の課題とは何か

あなたのコミュニケーション能力向上のために、我が国の児童生徒の課題から検討みるとどうでしょうか。例えば、OECD(経済協力開発機構)のPISA調査に拠れば、次の3つが指摘されています。

① 思考力・判断力・表現力等を問う読解力や記述式問題、知識・技能を活用する問題に課題
② 読解力で成績分布の分散が拡大しており、その背景には家庭での学習時間などの学習意欲、学習習慣・生活習慣に課題
③ 自分への自信の欠如や自らの将来への不安、体力の低下といった課題「中学校学習指導要領解説・国語編 文部科学省」

直接的には上掲の①が課題のようです。しかし、コミュニケーション能力向上には、②も③も重要な課題です。しかも、①、②、③は個々別々ではなく、密接不離は関係であることも明白ですね。具体的には、自分の学習意欲をもって毎日の読書生活を充実させたり、自分の将来を考えたりすることが、あなたのコミュニケーション能力の基盤には必要不可欠です。

二 あなたの「5つの言語意識」を大切にする

私見ですが、コミュニケーション能力向上のために、例えば次の6つを提案します。

1)自分の日本語を自覚したり意識したりする言語活動。

2)自分の日本語を意図的・計画的に運用する言語活動。

3)その際、次の「5つの言語意識」を明確にする。〈1・相手意識 2・目的意識 3・条件や状況意識 4・表現や理解の  方法意識 5・評価意識(自分の言語活動について)〉

4)特に、何と何とを表現したいのかを明確にする。(順序や構成)→最初(第1次)の表現内容を整理して、相手によく伝わる第2次、第3次・・・の表現内容に組み立てる。

5)その表現内容について、項目数、順序、とつなぎ言葉(接続詞等)を意識して表現する。例えば、「~ですが」の「が」は、「だから」(順接)なのか、「しかし」(逆接)なのか、「そして」(並列)なのか。とすると、曖昧な「が」は消滅する。

6)その表現内容を構成する1文(センテンス)は、主部と述部との関係を意識して表現する。その際、「~と思います」ではなく、「~と考えます、~と判断します、~と評価します」等、自分の思考・判断等を明確に表現する。

以上、細やかですがあなたのコミュニケーション能力向上に少しでもお役にたてば幸いです。

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