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サーティファイの活用事例紹介 サーティファイの資格検定試験を活用されている団体の事例をご紹介します。

Case-26

専門学校徳島穴吹カレッジ
教務部主任 松尾 誠司 様

専門学校徳島穴吹カレッジでは、「職業教育を通して、地域社会に貢献する人材を養成する」を理念に、高い専門知識と技術を持つ人材の育成に取り組まれています。
今回、デザイン分野のご指導に取り組まれている松尾 誠司 先生に、検定を活用したご指導に関するご意見を伺うとともに、学生たちが取り組む産学連携課題に検定指導が生きる様子について、お話をお聞きしました。

Illustrator/Photoshopクリエイター能力認定試験を活用いただいている背景をお聞かせください。

松尾様:検定への挑戦を継続して行っているのは、学生の習熟度を判断するための指標のひとつとして授業で活用するためです。
この検定に合格することは、専門人材に求める知識・技術が身についていることを明確に表します。合格した学生はさらに上を目指せます。また残念な結果だった場合は、「自分には何が足りなかったのか」を結果帳票から分析できます。弱点やクセを克服し、もう一度検定にトライして合格を目指すことが、達成感につながります。
このような背景から、検定を導入しています。

専門知識や技能は指標化が難しいですが、その点で我々の試験が一助になれるのは嬉しいです。松尾先生が授業で指導される内容や、学生が取り組む活動は検定試験とリンクしますか?

松尾様:グラフィックデザインコースでは学習の前提として、印刷に関わる分野をベースとした実践指導を行っています。そのため「トンボ」や「解像度」といった印刷分野の知識や、校正データを作成するテクニック・理解について検定試験に盛り込まれていることが一番望ましいです。
当校の内容と検定を比較すると、一見、検定の出題範囲が広いように感じますが、「入稿データを制作する知識」と併せて「Web、動画制作など、さまざまな場面でIllustratorが使える」全般的なスキルについても指導をしています。検定試験は、ソフト操作に対する学生の習熟度を評価する有用な指標だと思っています。

「印刷」や「Web」など、学生の興味や進路に紐づく分野ごとの知識技能を問う検定内容だと、より扱いやすくなるということですね。

松尾様:はい。カリキュラムが多様化した昨今、印刷・Web・映像など複数の分野に対応する指導内容を授業の中で盛り込んでいる学校が多いと思います。分野ごとに対応したデータの作成・加工ができる技量や理解を検定試験で測ることができれば、検定試験を指標とした学習を授業でより行いやすくなるのではないでしょうか。スタンダード級のレベルであれば、操作の基本スキルを網羅した内容であります。学習が進むにつれてWeb系や印刷系などの様々な分野・業種に対応した授業をする必要があるため、分野ごとの知識問題などがエキスパート級の内容に盛り込まれていると嬉しいです。例えば、制作に関する知識問題では、学生たちが目指す方向性に合わせ「印刷」「CG」「Web」「広告」などの分野別選択問題が盛り込まれていると、様々なニーズに対応できる面白い検定試験になると思います。
とはいえ、提示したいずれの分野においても、Illustrator・Photoshopを使いこなす力が、「制作の根幹」を担う重要なスキルであると認識をしています。検定試験で基礎スキルの定着を図り、我々教員の「教育」によって専門性を磨いていく授業を構築するべきと考えております。

試験を導入することで、そこで得た知識を学生の皆さんが活用できたと実感できた場面はありましたか?

松尾様:産学連携活動の中で、本校のマンガ・イラストコースとグラフィックデザインコースの2年生が、日本郵便(徳島郵便局)様と連携して、「特殊詐欺」をテーマにした「かもめーる」をデザインし、これを地元の警察署に採用いただきました。
その際、「特殊詐欺への注意喚起」というメッセージをデザインで伝えることが求められました。検定試験を通して学んだグラフィックソフトウェアや文字組みなどの知識と操作技術がデザイン制作に活きた事例だと思います。

デザインする対象について「この表現をしたいからこの手法を選択する」など、表現手法を選ぶためや理由付けをするための指標や手立てとして、検定試験が活きているということでしょうか。

松尾様:もちろん活きていると思います。産学連携課題として取り組んだ「徳島の観光マップデザイン」では、学生たちが現地を取材し、レストランの料理や特産品の写真を撮影しました。それら素材情報を記事にするとき、学生自身が判断しPhotoshopで加工した写真素材をIllustratorで作成したマップのベースに配置するという作業は、検定試験を通して身につけたスキルが活きた表れだと、検定試験の効果を感じた瞬間でした。

貴校では産学連携のお話が多くございますが、活動のご様子についてお聞かせください。

松尾様:昨年の夏休みには、地元サッカーチームの「徳島ヴォルティス様」と連携し、イベントロゴの作成を行いました。また、徳島や香川に6店舗を展開する石窯パン工房 パパベル様のお声がけで店内POP制作に挑戦しました。日本郵便株式会社様からもかもメール、年賀状のデザイン課題をいただく予定です。おおよそ2ヶ月に1回ほど企業と連携した授業を行っています。
阿波銀行様がショッピングモールに設けている休憩スペースに、グラフィックデザイン学科の1・2年生が作成したうちわを展示するという活動がありました。2年生は、徳島をテーマにイラストレーションやテキスタイルで竹うちわを、1年生は、「今までにないユニークなうちわ」の制作に取り組みました。その結果、ハエたたきとして使えたり、オブジェとして飾れるものなど、様々な「アイデアうちわ」を形にすることができました。
また、少しでも多くの人にうちわ作品を見ていただくために「特典付き来場者アンケート」を作成、配布しました。ただ作品を作るだけでなく、告知・集客のアイデアを話し合い実践したことで、学生たちは良い経験ができたと思います。
学習したソフト技能を活かした2年生、アイデアを形にすることに注力した1年生、それぞれが、自身のクリエイターとしての方向性を考えることにも繋がったことでしょう。

最後に、今後検定試験を受験される方へのメッセージや、弊社検定試験に期待することをお聞かせください。

松尾様:検定に合格できなかった学生の要因を合否通知の分析シートで考察してみると、技術や知識の不足があったことはもちろんながら、「問題の意図を理解し対応していく力」の弱さが目立ちました。
仕事をする上で「問題解決力」は必要不可欠な資質であると思います。検定試験には、問題の意図を正しく理解し、与えられた素材を活用しながら制作していく設問で構成されています。問題を解く中で、「自分自身で考え、工夫し、正解を導き出す」という経験ができるのは、検定試験の大きなメリットです。
今後も、実践的に問題解決しながら制作を経験できる検定試験を、提供し続けていただきたいと思います。
以前に参加した姉妹校の教員勉強会で、アドバイザーとしてお招きしたWeb制作会社代表の方に「求める人材像」を伺いました。その時の回答が「無の状態からでも、自ら解決することできる『なんとかする力』がある人」でした。現時点で対応できない問題であっても、様々な手段を使って解決策を導き出す『なんとかする力』を、検定試験を通して学生たちが身につけてくれることを期待しています。

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