ビジネス著作権検定

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委員長メッセージ・コラム

委員長プロフィール 久保田 裕

  • 一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 専務理事・事務局長
  • 山口大学客員教授
  • 文化審議会 著作権分科会 臨時委員
  • 文化審議会 著作権分科会 法制・基本問題小委員会 専門委員
  • 文化審議会 著作権分科会 国際小委員会 専門委員
  • 公益社団法人著作権情報センター 理事
  • 特定非営利活動法人 全国視覚障害者情報提供施設協会 理事
  • 特定非営利活動法人 ブロードバンドスクール協会 情報モラル担当理事

「現代のビジネスシーンにおいては、著作権の知識は不可欠である」という命題に異論を唱える方はいないでしょうか。ただし、これまではその意味を「うっかり他人の著作権を侵害しないために著作権の知識を身につけるべき」との、どちらかというと「防御」の観点で説明されてきた印象を受けます。
しかし、著作権は守りのツールではありません。より積極的に攻めのツールとして活用すべきものなのです。魅力ある著作権物(コンテンツ)は時を超え、国境を越えて愛され続けます。そのコンテンツから利益を生み出し、剽窃から守る源こそ著作権なのです。著作権を正しく理解し、適切な契約を関係者と結び、デジタルコンテンツならば適切なDRM(著作権管理技術)を選択して流通させることが重要です。
一方で、著作権は著作物を生み出さない立場であっても重要な知識です。例えば、各種イベントのために外部のデザイナーが創作した「キャラクター」を利用しようとした場合に、利用方法を踏まえた契約を締結することが担当者には求めされていますし、契約の範囲を超えた利用をしていないかを判断できなければなりません。また、昨今盛んになっている「地域のブランド化」を支える「地域コンテンツ」も、その土台は著作権が中心となります。

■ 第23回公開試験実施にあたって

世間は環太平洋パートナーシップ(TPP)協定への参加に関する問題でかまびすしい状況です。政府が10月に作成した資料によると、対象となる分野には知的財産も含まれ、TRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)や、先日署名が行われたACTA(偽造品の取引の防止に関する協定)など、既に一定の方向性が示されている国際協定の内容をどの程度上回るかを中心に議論が進むとみられます。

今後、具体的な検討内容は日本が交渉に正式参加となれば次第に明らかになってくると思われますが、交渉の過程や結果のもたらす効果を正しく理解するには日本の知的財産権に関する知識が不可欠です。

このように、社会経済上も大きなテーマとなる知的財産権の一翼を担う著作権の知識を問う今年最後の著作権検定試験が20日、全国10カ所で行われます。今回は初級と上級の試験が行われます。試験問題は既に10月中旬に委員会での検証を終えて完成しています。

現代は、濃淡の差こそあれ、あらゆるビジネスの現場で著作権が関わってきています。法律に違反しないための知識としてばかりではなく、自ら(または自社)が持つ著作権をどう守り、どう活かすかという観点として、著作権の知識が求められている面が大きくなっています。

そうした実情を踏まえ、このビジネス著作権検定では、単に著作権法という法律の知識を問うものではありません。むしろ、ビジネスの現場で役立つ知識が身に付いているかを問うように問題を作成しています。

もちろん、まだ社会に出ていない学生の皆さんが心配する必要はありません。初級問題は、基本的な事項を問うものであって、公式テキストでしっかり学んでいれば合格できるように問題を作成しています。

出題数は、初級は30問、上級は40問。合格基準は、初級は得点率が65%以上であること、上級は70%以上であることです。

受験生の皆さんは、試験勉強を通じて知識は得ていると思います。あるいは最後の追い込みで今まさに勉強中かも知れません。学校での勉強も同じだと思うが、試験に向けて勉強した過程で得た知識こそが大切です。学校や仕事で著作物を扱うときに勉強した内容を思い出し、あるいは、著作権に関するニュースを見たときに何が問題なのか考えて、今やっている勉強で得た知識を血肉として欲しいと願います。

検定試験は落ち着いて、勉強の成果を発揮してください。

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