ビジネス著作権検定

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委員長メッセージ・コラム

委員長プロフィール 久保田 裕

  • 一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 専務理事・事務局長
  • 山口大学客員教授
  • 文化審議会 著作権分科会 臨時委員
  • 文化審議会 著作権分科会 法制・基本問題小委員会 専門委員
  • 文化審議会 著作権分科会 国際小委員会 専門委員
  • 公益社団法人著作権情報センター 理事
  • 特定非営利活動法人 全国視覚障害者情報提供施設協会 理事
  • 特定非営利活動法人 ブロードバンドスクール協会 情報モラル担当理事

「現代のビジネスシーンにおいては、著作権の知識は不可欠である」という命題に異論を唱える方はいないでしょうか。ただし、これまではその意味を「うっかり他人の著作権を侵害しないために著作権の知識を身につけるべき」との、どちらかというと「防御」の観点で説明されてきた印象を受けます。
しかし、著作権は守りのツールではありません。より積極的に攻めのツールとして活用すべきものなのです。魅力ある著作権物(コンテンツ)は時を超え、国境を越えて愛され続けます。そのコンテンツから利益を生み出し、剽窃から守る源こそ著作権なのです。著作権を正しく理解し、適切な契約を関係者と結び、デジタルコンテンツならば適切なDRM(著作権管理技術)を選択して流通させることが重要です。
一方で、著作権は著作物を生み出さない立場であっても重要な知識です。例えば、各種イベントのために外部のデザイナーが創作した「キャラクター」を利用しようとした場合に、利用方法を踏まえた契約を締結することが担当者には求めされていますし、契約の範囲を超えた利用をしていないかを判断できなければなりません。また、昨今盛んになっている「地域のブランド化」を支える「地域コンテンツ」も、その土台は著作権が中心となります。

■ サーティファイ委員長コラム Vol.24

前回、ネットにアップロードした著作物の著作権が誰にあるのか、あるいは自分が著作権者であることを証明することが難しいという話を書きました。どうれば、この問題は解決するのでしょうか。

もしかすると、特許権などの他の知的財産権と同じく、著作権の権利発生要件として、著作物と著作者を登録する制度を導入すればよいという考え方をする人がいるかも知れません。しかし、これは著作権に関する国際条約であるベルヌ条約違反となってしまいます。条約に加盟したまま、それに反する著作権法改正を行うことはできないので、現実的な解決策ではありません。

法的に難しければ技術で解決する方法はあり得ます。著作物のデジタルファイルに著作権者名などの情報を埋め込むのです。例えば、ACCSも団体として加盟している「デジタル時代の著作権協議会(CCD)」では、コンテンツID、権利者ID、利用者ID、許諾条件を一つの体系としたCCD-ID規格を策定しています。このような権利者情報の埋め込みが普及すれば、デジタルコンテンツの著作者の証明も容易になっていくことでしょう。

デジタル著作物に限らず、そもそも、著作物が誰のものか分かりやすくするとともに、自分の著作権であることを明らかにしておくためには、まずは著作権表記が必要でしょう。○の中にcの字を入れた)cマークは現在では法的には意味を持つものではありませんが、著作権者をあらわず表記としてこのマークを活用する意味は大きいと思います。cと共に表記するのは著作権者であることに注意が必要ですが、個人が創作する著作物の場合、著作権譲渡が頻繁になされることは多くはないでしょうから、著作権法第14条と併せてこの著作権者表記は有効に機能する可能性があると考えられます。

このように考えると、学校などでの著作権教育において、著作権法を理解することと同時に、自分の著作物であることを明らかにする、という教育がもっとなされていいのではないでしょうか。その延長上に、著作者が不明な著作物が増えることが抑えられるとともに、著作物の利活用にもつながるでしょう。それが、著作権法の目的である文化の発展に寄与することに繋がるものと思います。

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