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リレーコラム

正木勝秋

コラム執筆者:正木勝秋

コミュニケーション能力認定委員会 委員長
元 人事院管理局研修審議室研修研究官
元 人事院任用局企画課人材確保対策室長
元 人事院総務局監理官

主な著書

  • 公務員試験で確実に合格&採用される本
  • 報告書・レポートが面白いほど書ける本―知りたいことがすぐわかる
  • わかりやすく、簡潔・迅速にまとめるコツ21と書式例25
  • OJTの実践50章 等

コミュニケーションの基本 よい報告例・悪い報告例

「今日は特に変わったことはありません。お先に失礼します」一日の仕事が終わり、上司より先に退社する際の挨拶である。退社の際、後に残る上司に何も挨拶しないという態度は論外として、「お先に失礼します」が一般的なところだろう。そこに一言、報告するような変わったことはなにもなかったと“報告”する。これが部下としての上司への心づかいであり、できる部下との印象を高めるポイントの一つとなる。

通常、報告すべき場合とは、何か変化があった時である。それが会社の危機につながるような変化であれば、誰でも素早く上司に報告する。組織として一刻も早く対処方針を決め動き出さなければ、厳しい競争の敗者となりかねないからだ。一方で、上司は自分が責任を持つ仕事が順調に動いているかどうかにも強い関心を持っている。報告すべき変化がないという“報告”は、この関心にマッチした貴重なものといえる。それゆえ、例えば長期の出張をした上司は、毎日、終業時間近くなると出先から職場の部下に電話などをして仕事の動きに関する報告を求める。変わったことがあればこちらから連絡しますよ、とうるさがるより、部下の方から定時に出先の上司に無事を報告する方が喜ばれよう。

仕事に関連した情報は、一般に、部下よりも上司に集まりやすい。少し気になる情報を得た場合でも、部下としては、上司もすでに知っているのではないかと危惧する場合がある。上司に報告したときに「そんなことはとっくに知っている。今頃なにを言っているんだ」と叱られるのではないだろうか、叱られないまでも馬鹿にされはしないか、とあれこれ考え、報告のタイミングを失いやすい。このような危惧はムダであるばかりでなく、有害でさえある。同種の情報でもいろいろな方向から集めて評価することが正しく状況を把握するためには必要である。情報を集めるプロ集団が作っている新聞さえ、一紙だけでは十分でなく、複数紙を読み比べることによってより正しい情報を得ることができるといわれている。上司にとって既知の情報かどうかなどと悩むのはやめ、まずは報告するという姿勢が大切である。

このような場合には、魔よけの呪文ともいうべき一言を添えて報告すればよい。その一言とは、「念のため報告します」である。

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