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リレーコラム

正木勝秋

コラム執筆者:正木勝秋

コミュニケーション能力認定委員会 委員長
元 人事院管理局研修審議室研修研究官
元 人事院任用局企画課人材確保対策室長
元 人事院総務局監理官

主な著書

  • 公務員試験で確実に合格&採用される本
  • 報告書・レポートが面白いほど書ける本―知りたいことがすぐわかる
  • わかりやすく、簡潔・迅速にまとめるコツ21と書式例25
  • OJTの実践50章 等

品格をもって相手に接することの価値とは

毎日のように訪れる喫茶店がある。他にも常連の客があって、互いに会釈や「こんにちは」の挨拶ぐらいは交わす。常連の中には同じ職場の仲間らしきコンビがいて、席が近いと、時には二人の話す職場のうわさ話や上司のこき下ろしなどの話題が耳に入ってくる。話に出てくる職場は知らないし、別に聞き耳を立てているわけでもないから内容はよくわからないのだが、気に入らぬ同僚や上司の話になると、言葉が荒くなったり口調が乱暴になるので、聞いているのがつらい気分になる。品のない言葉づかいや口調だと感じてしまうのだ。いくら気に入らない同僚や上司のことを話題にするといっても、品のない言葉や口調は聞く者に抵抗感や嫌悪感を呼び起こす。一緒の職場で共に働く者同士としての敬意までは求めないまでも、礼節ぐらいは持って話題にしてほしいものだと思ってしまう。

「品位」や「品格」という言葉は辞書を引いてみても抽象的な説明でよくわからないが、私なりの理解では、人と人との関わりの中で多くの人に支持されている「様式美」ではないかと考えている。感覚的には品位よりも品格の方がより具体性が強い。砕いていえば「らしくあってほしい」という思いである。社会人としての行動には、この「らしくあれ」という期待は大きい。会社や公の場では、常に品格を持った行動が求められるということだ。

気の置けない仲間同士なら多少品格を欠いた言動をしても許されよう。しかし、公の場や改まった場では、そうはいかない。品格のない言動はその人の知性や人柄を誤解させ、警戒させてしまいかねない。相手から距離を置かれ、信頼を得ることは難しくなる。逆に、品格のある言動は相手に安心感を与え、初対面の人とのコミュニケーションを促進するなど、よい人間関係を形成する大きな支えとなる。

就活期の学生たちは、日頃自由奔放に振る舞っていても、リクルートスーツに身を固め、礼儀正しく行動しようと努力する。この時ばかりは自分を品格ある人間と見てほしいと願う涙ぐましい努力とは思うが、付け焼き刃の品格ではすぐに底を見透かされてしまう。品格のある言動は、意識したからといってすぐに身に付くものではない。ここぞという場で馬脚を現さないためには、日頃から社会人らしい節度ある言動に努めること、そして日頃からその場に応じた言葉づかいや感情の表し方など、コミュニケーションの基本を学ぶことも有効であろう。

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